肝臓の超音波像(別冊No. 1)を別に示す。矢印で示すアーチファクトはどれか。
肝臓の超音波像(別冊No. 1)を別に示す。矢印で示すアーチファクトはどれか。
- ⑴ 音響陰影音響陰影は結石や石灰化など減衰の強い構造の後方が暗く抜ける現象です。反射面の向こう側に像が写る現象ではありません。
- ⑵ 鏡面反射横隔膜という強い反射面をはさんで対称の位置に虚像が描出される現象で、肝臓の超音波像で典型的にみられる鏡面反射です。
- ⑶ 多重反射多重反射は探触子と強い反射体の間で音波が往復を繰り返し、等間隔の線として現れる現象です。対称な虚像ではありません。
- ⑷ レンズ効果レンズ効果は腹直筋などで超音波が屈折し、対象が二重に見えたり位置がずれたりする現象で、成り立ちが異なります。
- ⑸ グレーティングローブグレーティングローブは振動子の配列間隔に起因する副ビームによる偽像で、反射面をはさんだ対称像ではありません。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。鏡面反射(ミラー効果)は、横隔膜のように音響インピーダンス差が大きく強く反射する曲面があるとき、超音波がそこで反射して別の構造に当たり戻ってくることで、実在しない像が反射面をはさんで対称の位置に描出される現象です。肝臓の超音波像では、横隔膜の向こう側(肺側)に肝実質や腫瘤が写り込む形で典型的に経験されます。音響陰影は減衰の強い構造の後方、多重反射は探触子と反射体の間の往復で生じるもので、成り立ちが異なります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-06.html)を加工して作成