腹部造影CT 像(別冊No. 7)を別に示す。考えられるのはどれか。
腹部造影CT 像(別冊No. 7)を別に示す。考えられるのはどれか。
- ⑴ 腸閉塞腸閉塞では拡張した小腸と口側・肛門側の口径差、鏡面像が主体となります。大動脈周囲の血腫は説明できません。
- ⑵ 尿管結石尿管結石では尿管内の高吸収の結石と、その上流の水腎症・尿管拡張がみられます。本例の所見とは異なります。
- ⑶ 急性胆囊炎急性胆囊炎では胆囊の腫大、壁肥厚、周囲脂肪織の濃度上昇がみられます。大動脈の拡張や後腹膜血腫は伴いません。
- ⑷ 消化管穿孔消化管穿孔では腹腔内の遊離ガス(フリーエア)が特徴的です。本例の所見はガスではなく血腫です。
- ⑸ 腹部大動脈瘤破裂大動脈の瘤状拡張と、その周囲から後腹膜へ広がる高吸収の血腫という組合せは腹部大動脈瘤破裂の典型像です。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。示された腹部造影CTでは、腹部大動脈が瘤状に拡張し、その周囲から後腹膜腔にかけて境界の不明瞭な高吸収の血腫が広がっており、腹部大動脈瘤の破裂を示す所見です。造影剤が瘤の外へ漏れ出す像が見られればさらに確実になります。腸閉塞では拡張した腸管と鏡面像、尿管結石では尿管内の高吸収結石と水腎症、急性胆囊炎では胆囊の腫大と壁肥厚、消化管穿孔では腹腔内の遊離ガスが主体となり、いずれも本例の所見とは異なります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-06.html)を加工して作成