温熱療法で正しいのはどれか。
温熱療法で正しいのはどれか。
- ⑴ 放射線治療期間中は毎日行う。温熱療法は熱耐性が生じるため、通常は週1〜2回の頻度で行います。放射線治療のように毎日は実施しません。
- ⑵ 細胞周期のM 期に効果が最も高い。熱に対する感受性が最も高いのは放射線に抵抗性のS期です。M期に最も効果が高いのは放射線のほうです。
- ⑶ がん組織の蛋白質の変性を目的とする。加温により細胞内蛋白質を変性させて細胞死を起こすことが温熱療法の目的です。放射線損傷からの回復阻害も加わります。
- ⑷ 腫瘍組織と比較して正常組織の温度は上がりやすい。腫瘍組織は血管が未熟で血流による冷却が働きにくいため、正常組織より温度が上がりやすくなります。記述は逆です。
- ⑸ 腫瘍部の温度を長時間39~42 ℃に保つことにより効果を発揮させる。効果を得るには42.5〜43℃程度の加温が必要です。39〜42℃では蛋白質の変性が不十分で効果が期待できません。
解説
正解は⑶です。温熱療法は腫瘍部を42.5〜43℃程度まで加温し、細胞内の蛋白質を変性させて細胞死を起こすとともに、放射線による損傷からの回復を妨げることを目的とします。腫瘍組織は血管が未熟で血流による冷却が働きにくいため、正常組織より温度が上がりやすく、また放射線に抵抗性の低酸素細胞やS期の細胞に熱がよく効くという相補的な関係があります。実施は週1〜2回程度で、毎日行うものではない点も押さえてください。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-06.html)を加工して作成