細胞と組織の放射線感受性で正しいのはどれか。
細胞と組織の放射線感受性で正しいのはどれか。
- ⑴ 筋肉は肝臓より放射線感受性が高い。筋肉は分裂しない細胞から成り、放射線感受性はきわめて低い組織です。肝臓より高いということはありません。
- ⑵ 放射線の晩期有害事象にはしきい値が存在する。晩期有害事象は確定的影響であり、一定の線量を超えて初めて生じます。しきい値が存在するので正しい記述です。
- ⑶ 細胞の分化度が高いほど放射線感受性は高くなる。Bergonié・Tribondeauの法則により、分化度が高い(成熟した)細胞ほど感受性は低くなります。関係が逆です。
- ⑷ 治療可能比とは腫瘍致死線量をα/β 値で割ったものである。治療可能比は正常組織の耐容線量を腫瘍致死線量で割った値です。α/β値で割るという定義ではありません。
- ⑸ 肝臓では最大被ばく線量が晩期有害事象発生予測に最も強力な因子である。肝臓は機能単位が並列に並ぶ並列臓器なので、最大線量よりも高線量を受ける体積(平均線量や体積因子)が重要になります。
解説
正解は⑵です。放射線の晩期有害事象は組織反応(確定的影響)に分類され、一定の線量を超えて初めて発生する、すなわちしきい値が存在します。しきい値をもたないのは発がんや遺伝性影響などの確率的影響です。Bergonié・Tribondeauの法則から、分裂が盛んで分化度の低い細胞ほど感受性が高く、筋肉は肝臓と同様に感受性が低い組織です。治療可能比は正常組織の耐容線量を腫瘍致死線量で割った値であり、肝臓のような並列臓器では最大線量より照射体積のほうが重要になります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-06.html)を加工して作成