X 線の細胞への影響で正しいのはどれか。
X 線の細胞への影響で正しいのはどれか。
- ⑴ 殺細胞効果は細胞周期S 期後期で高い。細胞周期の中で最も放射線抵抗性が高い(殺細胞効果が低い)のがS期後期です。感受性が高いのはM期とG2期後期です。
- ⑵ 悪性腫瘍細胞のα/β 値は低いものが多い。悪性腫瘍細胞のα/β値は10Gy前後と高いものが多く、低いのは晩期反応組織や前立腺癌など一部です。
- ⑶ DNA の一重鎖切断よりも二重鎖切断を主に起こす。X線による切断の数としては一重鎖切断のほうがはるかに多くなります。二重鎖切断は数が少ない一方で致死的です。
- ⑷ 総線量が同じならば1 回照射と比較して2 分割照射では細胞生存率は低い。分割すると照射の合間に亜致死損傷(SLD)からの回復が起こるため、細胞生存率は1回照射より高くなります。
- ⑸ 低酸素状態にある悪性腫瘍では1 回照射より分割照射で殺細胞効果が高い。分割照射では再酸素化が起こり、低酸素で抵抗性だった細胞にも酸素が行き渡って感受性が高まります。殺細胞効果が高くなるので正しい記述です。
解説
正解は⑸です。低酸素状態にある腫瘍細胞は放射線に抵抗性ですが、分割照射を行うと、まず酸素の豊富な細胞が死んで腫瘍が縮小し、残った低酸素細胞に酸素が届くようになります。この再酸素化のため、分割照射のほうが1回照射より殺細胞効果が高くなります。殺細胞効果はS期後期で最も低く、悪性腫瘍細胞のα/β値は10Gy前後と高いものが多く、X線が数のうえで多く起こすのは一重鎖切断で、2分割ではSLD回復が働くため生存率はむしろ高くなります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-06.html)を加工して作成