乳癌に対する放射線治療で正しいのはどれか。
乳癌に対する放射線治療で正しいのはどれか。
- ⑴ 外部放射線治療における軽症の急性期放射線皮膚炎に対して抗生剤を使用する。軽症の急性期放射線皮膚炎は感染症ではないため抗生剤は使いません。保湿と刺激の回避が基本で、必要に応じてステロイド外用を用います。
- ⑵ 乳房部分切除術後の予防的放射線治療では健側の全乳房を照射範囲に含める。予防照射の対象は患側の乳房・胸壁と必要な領域リンパ節です。健側乳房は含めず、むしろ被ばくを避けるべき臓器です。
- ⑶ 乳房全切除術後の予防的外部放射線治療における投与線量は、1 回2 Gy で総線量40 Gy である。乳房全切除術後の胸壁照射は通常1回2Gyで総線量50Gy程度です。1回2Gyで40Gyという組合せは標準的ではありません。
- ⑷ 腋窩リンパ節転移が4 つ以上ある症例において術後外部放射線治療で領域リンパ節(鎖骨上)を含める。腋窩リンパ節転移4個以上は領域再発リスクが高く、鎖骨上窩を含む領域リンパ節照射が推奨されます。正しい記述です。
- ⑸ 乳房部分切除術後に対する予防的外部放射線治療における投与線量は、1 回2 Gy で総線量40 Gy である。乳房部分切除術後の全乳房照射も通常1回2Gyで総線量50Gy程度です。1回2Gyで40Gyという組合せは標準ではありません。
解説
正解は⑷です。腋窩リンパ節転移が4個以上ある症例は領域再発のリスクが高いため、乳房または胸壁に加えて鎖骨上窩を含む領域リンパ節への術後外部放射線治療が推奨されています。乳房温存術後の全乳房照射も乳房全切除術後の胸壁照射も、通常は1回1.8〜2Gyで総線量45〜50Gy程度が標準であり、総線量40Gyという値は1回線量を大きくする寡分割照射で用いられる線量です。照射範囲は患側に限られ、健側乳房は含めません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-06.html)を加工して作成