腹部MRI のT2 強調像(別冊No. 2)を別に示す。多房性の腫瘤が存在する臓…
腹部MRI のT2 強調像(別冊No. 2)を別に示す。多房性の腫瘤が存在する臓器はどれか。
- ⑴ 肝臓肝囊胞は単房性で円形のものが多く、ぶどうの房のような多房性腫瘤を形成することは典型的ではありません。
- ⑵ 腎臓腎囊胞も通常は単房性で、後腹膜の背側寄りにある腎実質から突出する形をとります。位置と形態が合いません。
- ⑶ 膵臓多房性・T2高信号の囊胞性腫瘤はIPMNやMCNなど膵臓の粘液産生腫瘍に典型的な所見です。位置も上腹部正中の背側で一致します。
- ⑷ 大腸大腸はガスや便を含む管腔臓器で、T2高信号の多房性腫瘤の主座になることは典型的ではありません。
- ⑸ 脾臓脾臓は左上腹部の実質臓器で、多房性の囊胞性腫瘍が生じることはまれです。
この問題は別冊の図版(写真・標本・心電図など)を見て答えます。図版は転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも所見の読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。T2強調像で高信号の小さな囊胞がぶどうの房のように集まった多房性の腫瘤は、膵臓の膵管内乳頭粘液性腫瘍〈IPMN〉や粘液性囊胞腫瘍〈MCN〉で典型的にみられる所見です。膵臓は胃の背側、上腹部で脊柱の前を横走するので、腫瘤の存在する高さと周囲の位置関係から臓器を判定します。肝囊胞や腎囊胞は単房性の類円形であることが多く、脾臓では囊胞性腫瘍自体がまれ、大腸は管腔臓器なので、いずれも多房性腫瘤の主座としては典型的ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-06.html)を加工して作成