MRI の脂肪抑制法で正しいのはどれか。
MRI の脂肪抑制法で正しいのはどれか。
- ⑴ CHESS 法はT1 値の影響を受ける。CHESS法が利用するのはT1値ではなく水と脂肪の共鳴周波数の差(ケミカルシフト)です。T1に依存するのはSTIR法です。
- ⑵ STIR 法は周波数選択的に脂肪信号を抑制する。STIR法はT1の違いを利用する反転回復法で、周波数選択的ではありません。周波数選択的なのはCHESS法です。
- ⑶ CHESS 法では最初に180 度のRF パルスを印加する。CHESS法はまず脂肪の周波数に合わせた90度パルスを印加し、スポイラで横磁化を消します。180度パルスから始まるのはSTIR法です。
- ⑷ Dixon 法はin-phase における脂肪抑制効果を利用する。Dixon法はin-phaseとopposed-phaseの画像を加減算して水と脂肪を分離する方法です。in-phase単独で抑制するわけではありません。
- ⑸ STIR 法はCHESS 法より磁場の不均一性の影響を受けにくい。STIR法はT1の差だけを利用し周波数の正確さを要求しないため、磁場不均一の影響を受けにくく、金属近傍や広い範囲の撮像に向きます。
解説
正解は⑸です。CHESS法は脂肪の共鳴周波数だけを狙って選択励起し、続いてスポイラ傾斜磁場で横磁化を消す周波数選択的な方法なので、静磁場や送信の不均一があると狙う周波数がずれ、脂肪抑制が不均一になります。一方STIR法は反転回復を用い、脂肪のT1に合わせた反転時間(1.5Tで約150〜170ms)で脂肪の縦磁化がゼロを通過する時点に励起する方法で、周波数の正確さを要求しないため磁場不均一に強いのが特徴です。その代わりT1の近い組織の信号も落ちる欠点があります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-06.html)を加工して作成