超音波の性質で正しいのはどれか。
超音波の性質で正しいのはどれか。
- ⑴ 生体内を主に横波で伝播する。軟部組織はせん断弾性がほとんどないため横波をほぼ伝えません。伝播するのは主に縦波(疎密波)です。
- ⑵ 波長が長いほど指向性が向上する。波長が長い(周波数が低い)ほどビームは広がりやすく、指向性は低下します。指向性は周波数が高いほど向上します。
- ⑶ 伝播速度は媒質の密度に関係しない。音速はc=√(K/ρ)のように媒質の弾性率と密度で決まります。密度に関係しないという記述は誤りです。
- ⑷ 周波数が高いほど深部に到達しにくくなる。減衰は周波数にほぼ比例して増えるため、高周波ほど深部に到達しにくくなります。記述のとおりで正解です。
- ⑸ 検査で用いる周波数はおよそ100 kHz である。診断で用いる周波数はおよそ2〜15MHzです。100kHzでは波長が長すぎて必要な分解能が得られません。
解説
正解は⑷です。生体内での超音波の減衰は周波数にほぼ比例して大きくなるため、高い周波数ほど深部に届きにくくなります。一方で距離分解能は波長が短いほど良くなるので、甲状腺や乳腺のような浅い部位は7〜15MHz程度、腹部の深い部位は3〜5MHz程度と、深達度と分解能の兼ね合いで周波数を選びます。軟部組織はせん断弾性がほとんどないため主に縦波(疎密波)で伝わり、音速は媒質の密度と弾性率で決まる点も併せて押さえてください。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-06.html)を加工して作成