ホウ素中性子捕捉療法〈BNCT〉での治療時に用いられる核反応はどれか。
ホウ素中性子捕捉療法〈BNCT〉での治療時に用いられる核反応はどれか。
- ⑴ (d,n)重陽子を入射して中性子を放出させる反応で、加速器中性子源や核種製造に使われます。BNCTは中性子を照射する側なので、治療時の反応ではありません。
- ⑵ (n,α)¹⁰B(n,α)⁷Li反応そのものです。飛程が細胞径程度のα粒子と⁷Li反跳核を腫瘍細胞内で発生させるため、BNCTの治療原理になります。
- ⑶ (n,γ)中性子捕獲でγ線が出る反応で、放射化分析や核種製造で重要です。γ線は飛程が長く細胞単位の選択性がないため、BNCTの治療原理にはなりません。
- ⑷ (n,p)¹⁴N(n,p)¹⁴Cのように起こり、BNCTでも組織中の窒素による副次的な線量寄与として存在しますが、目的とする治療反応ではありません。
- ⑸ (p,d)陽子を入射して重陽子が出る反応で、中性子照射を利用するBNCTとは無関係です。
解説
正解は⑵です。ホウ素中性子捕捉療法〈BNCT〉では、腫瘍細胞に集積させた¹⁰Bに熱中性子を照射し、¹⁰B(n,α)⁷Li反応を起こさせます。¹⁰Bの熱中性子捕獲断面積は約3840バーンときわめて大きく、生成するα粒子と⁷Li反跳核の飛程は5〜10µmと細胞1個分に収まるため、¹⁰Bを取り込んだ腫瘍細胞だけを選択的に破壊できます。治療に使うのは中性子を入射させて飛程の短い荷電粒子を放出させる反応であり、荷電粒子を入射させる反応や、透過力の大きいγ線を出す反応では細胞レベルの選択性が得られません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-06.html)を加工して作成