退院半年後、病状が進行したため要介護認定申請をしたところ要介護2 であった。A …
次の文を読み42~44 の問いに答えよ。A さん(60 歳、男性、自営業)は1 人暮らし。つまずいたり転んだりすることが多くなり、精密検査のため入院したところ、筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉と確定診断された。近隣に住む弟(57 歳)と一緒に運送業を営んでいたが、運転ができなくなり仕事を辞めた。弟が保健所に医療費助成申請の手続きのために来所し、保健師が面接したところ「兄は自宅で度々転んでいます。この先どのような生活になるのか不安です」と話した。保健師は今後の支援体制を検討していくために、入院している医療機関でA さんと面接し「最期まで住み慣れた自宅で誰にも気を遣わず生活したい」という意向を確認し、主治医とも病状について共有した。
退院半年後、病状が進行したため要介護認定申請をしたところ要介護2 であった。A さんが弟以外から介護を受けることを拒否したため、介護保険サービスは福祉用具の利用のみとなった。弟は運送業を続けながら、A さんの入浴介助や排泄後の後始末などを行っている。保健師が弟へ状況確認のために電話をすると「兄には心配をかけたくないので言えないのですが、毎日、介護と仕事で身体がつらくなってきました」と話した。保健師の弟への対応で最も適切なのはどれか。
- ⑴ 介護が負担に感じていると介護支援専門員へ伝えることを助言する。負担が介護支援専門員に伝わらなければ、ケアプランは見直されません。
- ⑵ 筋萎縮性側索硬化症〈ALS〉患者家族会の情報提供をする。家族会の情報提供は支えになりますが、目の前の負担を減らすものではありません。
- ⑶ 利用できる介護保険サービスの情報提供をする。本人が他人の介護を拒んでいる状況では、サービスの情報だけでは届きません。
- ⑷ 入浴介助の手技を確認する。手技の確認は介護を続ける前提の支援で、負担そのものは軽くなりません。
解説
正解は⑴です。弟は「兄には心配をかけたくないので言えない」と話しており、負担を一人で抱えています。介護支援専門員にその状況が伝わらなければ、ケアプランは見直されません。まず弟自身が負担を伝えられるよう後押しすることが、支援の入り口になります。⑶のサービスの情報提供は、本人が他人の介護を拒んでいる状況では届きにくく、⑵の家族会や⑷の手技の確認は、いま弟が抱えている負担そのものを軽くしません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-03_04_05.html)を加工して作成