A さんとのトラブルに困った隣人が保健所へ相談に来た。保健師がA さん宅を訪問す…
次の文を読み55 の問いに答えよ。A さん(42 歳、女性)は1 人暮らし。短期大学を卒業後に就職したが、5 年前に仕事を解雇された。母親は2 年前に他界し、そのころから「外出するとストーカーに追われる」「電磁波で狙われて怖い」と訴えるようになり自宅に引きこもっている。A さんはこの数日、隣人を見て「お前がストーカーだな」と怒鳴りトラブルが続いている。
A さんとのトラブルに困った隣人が保健所へ相談に来た。保健師がA さん宅を訪問すると、A さんは「買い物や仕事を探しに行きたいが、ストーカーのせいで外出できない」「電磁波で攻撃されるため眠れない」と話した。A さんへの保健師の声かけで適切なのはどれか。
- ⑴ 「一緒に警察に相談に行きませんか」訴えを現実のこととして扱うことになり、症状を強めるおそれがあります。
- ⑵ 「一緒にハローワークへ行きましょう」外出を促しても、本人が困っていることは解決しません。
- ⑶ 「隣人が迷惑することはやめてください」本人を責める言い方になり、関係を築くことができなくなります。
- ⑷ 「電磁波の攻撃はないので安心してください」訴えを否定すると、分かってもらえないと感じて心を閉ざしてしまいます。
- ⑸ 「眠れないことについて医師に相談してみませんか」本人が困っている「眠れない」という事実から、医療につなげることができます。
解説
正解は⑸です。Aさんの訴えは幻覚や妄想と考えられますが、それを否定しても肯定しても関係は築けません。手がかりになるのは「眠れない」という本人が困っている事実で、そこから医療につなげるのが現実的です。⑷のように内容を否定すると信頼を失い、⑵のように現実の行動を促しても本人の困りごとは解けません。⑴の警察や⑶の注意は、訴えを現実として扱ったり本人を責めたりすることになり、いずれも適切ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-03_04_05.html)を加工して作成