家庭訪問後、担当保健師がA さん家族への継続支援を開始した。しばらくすると、A …
次の文を読み36〜38 の問いに答えよ。A さん(35 歳、女性、無職)。夫(37 歳、会社員)と幼稚園に通う長男(5歳)との3 人暮らし。半年前から倦怠感および不眠症状のため近所の心療内科に通院しており、境界性パーソナリティ障害と診断されている。A さんの体調が悪いときは、夫が家事や長男の世話をしているが、仕事で帰宅時間が遅いため十分に行えていない。最近はA さんと夫が口論することも増え、夫はA さんとの接触を避けるようになった。また、A さんは人付き合いが苦手で近隣との関係が悪く、A さんの両親や親戚との交流もない。
家庭訪問後、担当保健師がA さん家族への継続支援を開始した。しばらくすると、A さんから担当保健師に頻繁に電話がかかってくるようになり、泣きながら「今すぐ訪問に来て」と訴えることも多かった。このような状況が繰り返されるうちに、担当保健師はA さんに苦手意識をもつようになった。ある日、担当保健師の不在時にA さんの電話を受けた別の保健師に対して、A さんが「今の担当保健師は冷たいので担当を替えてほしい。あなたに私の担当になってもらいたい」と訴えた。このような状況への担当保健師の対応として正しいのはどれか。
- ⑴ 担当保健師を軸に保健師間でのA さんへの対応を統一する。誰が対応しても同じ方針で関わることで関係が安定し、組織として支えられます。
- ⑵ A さんの主治医にA さんの入院について相談する。入院を要する状況ではなく、対応の難しさを医療で解決しようとするものです。
- ⑶ A さんの希望に合わせて担当保健師を交替する。希望のたびに担当を替えると関係が定まらず、支援が積み重なりません。
- ⑷ A さんとの面接頻度を増やす。面接を増やすことは、要求に応じ続ける関係を強め、支援者の負担も増します。
解説
正解は⑴です。境界性パーソナリティ障害の支援では、支援者によって対応が異なると関係が揺れ動き、症状や行動が不安定になります。そこで担当保健師を軸として、誰が対応しても同じ方針で関わるよう保健師間で統一し、組織として支える体制をつくることが重要です。希望に応じて担当を替えることや面接を増やすことは、かえって関係を不安定にします。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp180511-03_04_05.html)を加工して作成